男性型脱毛症 AGA : Androgenetic Alopecia
成人男性に多くみられる進行性の脱毛症です。男性ホルモンの影響や遺伝が主な原因で、思春期以降に額から頭頂部にかけて毛髪が薄くなります。
AGAは男性ホルモンのテストステロンが5αリラクターゼという酵素の働きでDHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、毛乳頭内の受容体に結合して発毛や毛髪の成長を妨げます。
AGAは、40代男性の約3割に見られる一般的な症状で、進行の防止には発症早期からの対策・治療が重要です。
AGAの進行パターン
AGA(エージーエー)の特徴は、その脱毛の進行パターンにあります。
「額の生え際から後退していくタイプ」、「頭頂部から薄くなるタイプ」、これらの「混合タイプ」など。
ハミルトン・ノーウッド分類
薄毛の原因になるヘアサイクル
AGAを発症する最も大きな要因は男性ホルモンの作用だといわれています。
この男性ホルモンには体毛を増加させる働きがある反面、頭髪の伸びを抑制する働きがあるためAGAの主要因として位置づけられています。
毛髪には「ヘアサイクル」と呼ばれる仕組みがあり、 「成長期」→「退行期」→「休止期」という過程を繰り返しています。
そして、毛髪の太さや長さは、「成長期」の長さによって決まり、成長期が長ければ、毛髪は太く長く成長し、成長期が短ければ、うぶ毛のような細く短い状態で抜け落ちてしまいます。
AGAの場合、毛髪の本数が減るのではなく、「成長期」が短くなることにより、毛髪が太く成長する前に抜けてしまうため、徐々にボリュームが減り、地肌が見えるようになってしまいます
治療法
当院では、内服治療を行っております。
費用
初診料 3,300円(税込)
血液検査 7,700円(税込)
内服薬(30日分) 27,500円(税込)
治療の流れ
- カウンセリング 診察 (要予約)
- 血液検査 (検査結果が出るまで2日ほど要します)
- 処方 (血液検査の結果、問題がなければ治療開始となります)
- 再診 (約1ヶ月後に来院、写真撮影・処方)
効果と副作用について
フィナステリド
フィナステリドは、U型5α還元酵素阻害薬に分類され、適応症は男性型脱毛症の進行遅延です。AGAの原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)を産生するときに必要な酵素である5α還元酵素を阻害することでDHT産生を抑制しAGA治療効果を発揮します。
主な副作用
- リビドー(性欲)減退
- ED(勃起不全)
- 女性化乳房
- 肝機能障害 など
禁忌・注意事項
- 女性や子ども 薬剤に触れることも 禁
- 肝疾患のある方
- 前立腺癌のスクリーニングでPSAテストに影響を及ぼすため、検査前に申告してください。
- その他、治療中の病気がある方
ミノキシジル
ミノキシジルは、元々高血圧の処方薬として開発された薬剤です。ところが治療中の患者に多毛症が認められたことから、医療用の発毛剤として改めて開発されました。(※日本ではミノキシジルを高血圧の治療薬として処方はしていません。)
ミノキシジルは主に血流を良くする事で毛細血管から毛乳頭に栄養を与え、発毛を促します。ミノキシジルは女性でも服用することができます。
主な副作用
- 初期脱毛 ・・・服用後、一時的に抜け毛が増える
- 多毛症 ・・・ミノキシジルの効果により頭髪以外の毛(体毛)が濃くなる
- 顔や足のむくみ ・・・血管拡張作用により体にむくみが出る
- 低血圧 ・・・血管拡張作用により血流が良くなり、低血圧になる
- 肝臓への影響 ・・・薬が肝臓で代謝されることにより肝機能に影響が出る
- 動 悸 ・・・血液循環がよくなり心臓に負担がかかり、動悸が起こる
- 立ちくらみ・めまい ・・・血管拡張効果により血圧が急激に変化し脳の血圧が不安定になる
など
禁忌・注意事項
- 心疾患のある方
- 低血圧の方
- 肝疾患のある方
- 腎疾患のある方
- 妊娠中・授乳中の方
- その他、治療中の病気がある方
AGA治療は継続することで効果が得られます。また、治療薬の効果が実感できるようになるまでに、個人差はありますが、早くても3ヶ月ほどかかります。
また、効果が出たからといってやめてしまえば、徐々に元の状態へ戻ってしまうため、継続しなければその効果は持続しません。
髪が生えることを保証する治療ではありません。効果には、当然個人差があります。